家族介護の大変さ

私たち家族は認知症を患った祖父を6年間にわたり介護してきました。祖父の認知症は典型的な、食事をとったかどうか忘れたり、お金の管理が出来なくなるというものでした。排泄も徐々にできなくなり、おむつを使用していました。徘徊癖もありましたので、日中はデイサービスを利用し行方不明にならないようにいつも注意していました。家での主な介護は、おむつを取り替えることと食事の世話などですが、昼夜を問わず「通帳を盗っただろう」と言いがかりをつけて立腹してくるので、その対応が一番大変でした。なんとか話題を変え、お金のことを忘れさせようとするのですが、1日何度も聞かれると、介護する側が参ってしまいました。排泄についても、おむつをつけていても、トイレの場所がわからずに部屋でおむつを外し放尿することがしばしばあり、その後始末で毎日大変でした。注意してもすぐに忘れるので、私たち家族はやりきれなさを常に持っていました。足腰が丈夫だったので、徘徊についても悩まされました。ふと気づくと、部屋からいなくなっており、バスやタクシーを乗り継いで、県境まで行っていたこともあります。家族総出で探しても見つからず、警察に捜索をお願いしたこともありました。その時は、2日経って、遠くの神社で寝ているところを発見したのですが、家族全員が祖父の為にへとへとになり、まさに疲労困憊状態でした。
 苦労は、目に見えて家族に疲労という形でのしかかってきました。母は常に怒っているようになり、父は無関心になっていきました。兄弟は家を出るなど、家族はバラバラになりました。自分の家族なのに、家族だからこそ感情の行き場がなく、全員不満を抱えて生活していました。
そんな様子を見かねて弁護士を探したりもしましたが、その後ケアマネージャーが入居施設を紹介してくださり、状況は一変しました。施設に入居してからは、祖父と私たちの間に良い距離が保たれ、互いに怒ることなく過ごせています。たまに連れ出して食事に行ったり、今までの苦労を忘れるほど、良い交流ができています。

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